登場人物
年齢:25 / 性別:女 / 身長:142cm

喫茶店『緑飴』の経営者。筋少の新曲を聴いて「これは本城さん作曲だな」と思った楽曲は大概当たっているが、「この曲調は内田さん作曲だな」と思った楽曲は大概ハズれている。
五百木 冬風 (いおぎ ふゆか)
年齢:22 / 性別:女 / 身長:157cm

未虎と話が合う客。オーケンのエッセイ『神菜、頭をよくしてあげよう』の表紙絵がアルバムのジャケ写になったら良いのになと常に思っている。
雨。喫茶店『緑飴』店内──。
ミトラ「急に聴きたくなった作品があるんだが、流して良いか?」
フユカ「良いんじゃないですか? 誰の作品ですか」
ミトラ「筋少(筋肉少女帯)だな。しかも全体的に暗いやつなんだが」
フユカ「ああ、『レティクル座妄想』……確かに暗いですね」
ミトラ「五百木(いおぎ)はこのアルバムは好きか?」
フユカ「お気に入りのアルバムです。でも好きと言うより……凄い作品だなという印象が強いかなあ。筋少って時にコミカルで時にドラマチックな内容が主ですが、この作品に関してはイレギュラーというか、徹頭徹尾暗くて重いんですよね」
ミトラ「そうだな。テーマは【死と妄想】だが、『電波』や『病み』はこの作品がルーツと言っても良いのではないだろうか。ヒル夫妻誘拐事件で取り扱われてる、『宇宙人が住んでいるレティクル座』に関する妄想が繰り広げられてるのだが、厭世主義の人がそんなレティクル座を羨望しているワケだ」
フユカ「オーケンさん(大槻ケンヂ)のオカルト要素は健在ですね。その作品が急に聴きたくなったのは何か理由があるんですか?」
ミトラ「イヤだった過去を思い起こす夢を見てだな。笑わないで聞いて欲しい──や、五百木なら笑って聞いてくれても構わんのだが」
フユカ「笑わないですよ。どんな内容ですか?」
ミトラ「私には学生時代から今に至るまで友達がひとりも居たことがない。凄絶にイジメられてたワケではないが、とにかく楽しい日々など1ミリもなくてだな。そんな私は仲良く語らう人間に憧れていて、そこで架空の人間と喋っていたワケだ」
フユカ「…………」
フユカ「『また始まったよ』とか『何やってんの?』とか思いまして──」
ミトラ「その言葉、私が昔よく言われてたな」
フユカ「えっ??」
ミトラ「あっ、すまん。続けてくれ」
フユカ「雨は何とも言えないですね、曇りは好きですよ。どちらかと言うと、天気が良すぎるのがちょっと苦手です。未虎(みとら)さんは?」
ミトラ「昔は大好きだったぞ。独りで居てばかりだったから、そんな時は雨がピッタリでな。傘を差さずにわざと濡れながら歩いていた、イタイ思い出だ。しかも全く風邪ひかなかったんだ」
フユカ「独り、ですか……。今はどうなんですか?」
フユカ「……うん、まあそうなんじゃないかなとは思っていましたが……」
ミトラ「そんな私はこのアルバムばかり聴いていたんだ。他にはムックの初期作品も聴いてたな」
フユカ「暗すぎる作品は返って人を救うことはありそうですね。でも未虎さんが『レティクル座妄想』を愛聴している理由が分かりますね。"蜘蛛の糸"と"パリ・恋の都"じゃないですか」
ミトラ「あ、分かったか? そうなんだ、影響受けまくりだな」
フユカ「あと、『今に至るまで友達が居ない』というのは異を唱えたいものですね。アタシは未虎さんを友達だと思ってますし」
ミトラ「ハハハ、そうか。そんなレティクル座妄想を聴きながら各曲について語ろうかと思うが」
フユカ「良いですよ。じっくり聴きましょう」
レティクル座行超特急
フユカ「本城さん(本城聡章)が手がけたロックチューンですね。不安になるような始まり方で、タイトル通り特急のように疾走していきます。近年ポップなロックを描く本城さんはかつて、こんなに攻撃的な楽曲を作ってたんだと、初めて聴いた時は衝撃を受けました」
ミトラ「曲そのものはカッコイイよな。自ら世を去った人間たちと同じく、この曲の主人公もレティクル座へ向かう列車に乗っているという設定だな」
フユカ「座席の向かいに座る怪我した少女は、"さらば桃子"に出てくる桃子ちゃんですかね」
ミトラ「そんな桃子は投身で自ら命を落としたんだと主人公は察するな。レティクル座にはTHE DOORSのジム・モリソンが"The Crystal Ship / 水晶の舟"を歌うという箇所があるが、その水晶の舟も死者の国と云われるマグメルに行く内容だからリンクしているな」
フユカ「全て妄想ではあるのですが、最終的に『罪人』『つまらない人』と見なされて突き落とされる終わり方は凄まじいですね」
ミトラ「次の曲も繋がっているのなら、主人公は罪人で桃子はつまらない人にあたるのだろうか」
蜘蛛の糸
フユカ「始まりの狂気的な笑い声が怖いんですよ、この曲。笑い袋を使ってるって話ですね」
ミトラ「暗い内容だが、オーケンさんが作った曲の中では代表的な一曲だな」
フユカ「歌詞を読むと陰キャの妄想で留まっていますが、歌詞違いのバージョン"蜘蛛の糸 ~第二章~"では実行していますね」
ミトラ「歌詞に登場する『背中越しに笑うあの娘』は主人公にとって特別な人物で、笑ってくれている理解者──という思い込みで、実際は笑われているだけなんだよな」
フユカ「そんな"蜘蛛の糸 ~第二章~"、主人公は実行しようとするのですが『あの娘』が笑ってくれてるから踏みとどまっている。だから先にあの娘を●すことにした。簡潔に言うとそういった内容ですね」
ミトラ「主人公がレティクル座へ行く列車に乗っていることから、主人公は実行後に自ら絶命しているな」
フユカ「芥川龍之介の蜘蛛の糸に共通している箇所がうっすらありますね。この曲が進研ゼミのCMに使われていたって、とんでもないですね……」
ハッピーアイスクリーム
フユカ「内田さん(内田雄一郎)らしい奇怪なロックですね」
ミトラ「このタイトルは同じ言葉をハモった際に、『ハッピーアイスクリーム』と先に言った方がアイスを奢るという昔の遊びから来ているんだよな」
フユカ「らしいですね。そんなタイトルでポップな雰囲気があるかと思いきや、死者を埋めようとしても動き回るので、死は怖いものなのか問いかけるという内容ですね」
ミトラ「その死者はふざけた振る舞いをしているが、人は必ず終わりがあり、それは怖くはないと言うな。なかなか狂気的な内容だ」
フユカ「この動く死体については、この曲とは直接的な関係は無いのですがオーケンさんの小説『ステーシー』に共通する箇所があって、後に発表された"トゥルー・ロマンス"、"再殺部隊"、"リテイク"は動く死体をテーマにしていますね*1」
香菜、頭をよくしてあげよう
フユカ「本城さんらしいポップ色が強くて可愛らしい曲、なのですが……」
ミトラ「『香菜という子はバカだから、頭の良い人間に変えないと!』という主人公があの手この手を使って香菜を変えようとする、そんな内容だな」
フユカ「この曲だけシーンが違いますが、アルバムを最後まで聴くとこの曲の存在理由が何となく分かる気がするんですよねぇ……」
ミトラ「ああ、私もそう思うんだよな。主人公は香菜を自分の価値観と合わせるべく変えていこうとした──というように見えるが、『頭の良い人間に変えないと生きていけなくなるから、何とかしないと!』──そう焦る主人公とも取れるな」
フユカ「当初、香菜ちゃんは『アタシは犬以下だから』と自虐的でしたが、犬以下から『犬』くらいには賢くなったのかも知れませんね」
ミトラ「その『犬』というのは……」
さらば桃子
フユカ「橘高さん(橘高文彦)が作ったメタルチューンで、桃子ちゃんの投身を描いていますね」
ミトラ「『桃子が飛び降りたのは分かったけど、知らないフリをしておこう』といった内容だ。"レティクル座行超特急"でも乗り合わせた人に身を投げたことを何となく予想されていたが、その時も知らないフリをされていたな」
フユカ「歌詞違いのバージョン"1,000,000人の少女"は厭世的な女の子たちが集団で投身している内容に変更されてますね」
ミトラ「その曲は100万人に対して"さらば桃子"は1人か、数字の差が凄いな。"さらば桃子"の歌詞で使われてる『君(桃子)』が"1,000,000人の少女"では『僕』になっている。女の子100万人は主人公のことなど知らんだろうが、主人公も絶命しようと考えているよな」
フユカ「それが"蜘蛛の糸"の主人公視点なら成立する気がしますね。シングル「蜘蛛の糸」カップリングが"1,000,000人の少女"なので、曲順の流れを汲んでるように見えますが、ただタイアップ用に歌詞を書き換えただけだそうですね」
ミトラ「それにしてはコマーシャルらしい歌詞じゃないけどな。って、"1,000,000人の少女"の話の方が長くなってしまったな」
ノゾミ・カナエ・タマエ
フユカ「元々はオーケンさんがインディーズ時代に作った曲ですが、諸々の事情でお蔵入りになったんですよね」
ミトラ「事故死した少女の葬儀で、絡んだこともない同級生たちが悲しいフリをしている。すると葬儀場が大火事になり全員犠牲になり、亡くなったはずの少女が歓喜しているという内容だな。悍ましいな」
フユカ「曲名そのものは萩本欽一さんの番組で誕生したユニット『わらべ』のメンバーの名称ですね。あとこれは考えすぎかも知れませんが、亡くなった少女が蘇って歌い出すところは、お蔵入りになったこの曲が生まれ変わったのと重ねてる感じがしますね」
ミトラ「面白い考えだな。視点を変えたものが歌詞違いの"望み叶え給え"と"望みあるとしても (ノゾミ・カナエ・タマエ完結編)"で、"ノゾミ・カナエ・タマエ"に無いことと言えば、少女に想いを寄せている男が登場していることだ」
フユカ「その男が少女の葬儀で悔しく思って、無差別●人したくても躊躇って出来ないから神頼みをしたところ、望みが叶ったかのように葬儀場が燃え盛って男は喜んだのですが、実際は男の望みとは全く関係なかったんですよね」
ミトラ「"望みあるとしても (ノゾミ・カナエ・タマエ完結編)"の歌詞で分かるが、神様が何となく始めただけだったんだよな。男の望みが叶ったのではなく、たまたま重なっただけ。だから男も消されてしまったワケだ」
フユカ「聴く前は曲毎に分岐ルートがあると思っていたのですが、全てバッドエンドですね。お蔵入りになったバージョンはライブ音源で聴けるんですよね?」
ミトラ「ライブ音源集『80年代の筋肉少女帯』で聴けるぞ。未発表の原曲も歌詞は似ているが、レティクル座と少女は当然出てこないな。男の子が夏の森で命を落として、絡んだことない同級生たちがファストフード片手に葬儀に参列して、『アイツは良い人だった』と悲しいフリをしている。でもその中の1人だけは男の子のことを知っていて偲んでいた、といった内容だな」
フユカ「現代風に言うと、同級生だからと葬儀に参列して、SNSで『アイツを忘れない』とさも親友だったかのように投稿してお涙頂戴でちやほやされようとしてる、みたいな感じですかね」
愛のためいき
フユカ「映画『時をかける少女』に使われた曲のカバーですが、そのままカバーしてるだけではなく、セリフまで再現していますね」
ミトラ「大林宣彦監督が作曲を担当してるところも注目だ」
フユカ「静かに歌っていますが、暗い曲の連続なのでこの曲も落ち着いて聴けないんですよねぇ」
ミトラ「次の曲なんて、もっと暗いぞ」
ワダチ
フユカ「内田さんが作曲したテンポがとても遅くて重い曲ですね。オルガンの音がさらに恐ろしさを出しています」
ミトラ「歌詞の一部は杉良太郎さんの"君は人のために死ねるか"を用いているな。ワダチは本来であれば車輪の通った跡のことだが、ここでは先例のことを表しているな」
フユカ「木村久夫という人の遺書を引用した語りが入っている箇所は、聴いていて本当に暗くなりましたよ……」
ミトラ「テーマは変わらず『妄想』だから、この曲も内容はただ死と妄想について歌っているな。これは重過ぎるよなぁ、最初聴いたら二回目は素直に聴きたくないと思うほどにな」
ノゾミのなくならない世界
フユカ「珍しく橘高さんと内田さんの共作で、ポルカとメタルを融合したFINNTROLLのような曲ですね」
ミトラ「ノゾミが幼い頃、目を瞑ると自分だけの世界を思い描けていたが、成長してみると目を瞑っても何も変わらない、現実逃避しても無意味だという内容だな」
フユカ「ミュージシャンが好きになって追いかけ続けていたけど急に冷めた、でもそれはミュージシャン側が変わったからだとファンが言う──cali≠gariの"マス現象"に共通するところがありますね」
ミトラ「そんなミュージシャンに出会う機会があったノゾミは『昔は好きだった』と話しかけると、ミュージシャン側からグイグイ来るという。それがキツイから現実逃避しようとしても変わることはないんだよな」
パリ・恋の都
フユカ「本城さんが作曲したヘヴィかつオシャレなロックですね」
ミトラ「恋人と一緒にパリに来たが、恋人は既にこの世を去っているから実質独り。でも恋人が居るテイで表面上は楽しく振舞っているが、周囲から『イタイ人間が居る』と冷ややかな目で見られている。最後にセーヌ川に飛び込んで自ら命を絶って亡き恋人に会いに行く、といった内容だな」
フユカ「アタシが知っている音楽の中で最も悲しい歌詞かも知れません」
ミトラ「たまに今のライブでも演奏されているな。オーケンさん本人も『歌詞は暗い』と言っているが、曲自体はライブに映えるのは確かだな」
レティクル座の花園
フユカ「橘高さんが手がけたバラードで、曲そのものは優しいですよね」
ミトラ「タイトルから分かるように、桃子が憧れのレティクル座に来ることが出来て、好きだった人たちが迎え入れてくれている。そんなレティクル座に来れて良かったと幸せになった──と見せかけて、ただ混濁した意識で妄想を吐いているだけなんだよな」
フユカ「綺麗なバラードですがキツイ内容ですね。飛び降りて瀕死状態の桃子ちゃんは手当をされていて、今際の際でもレティクル座への妄想を続けていますね」
ミトラ「知らないフリをした人たちは大概『そんなものはモルヒネ塩酸塩を投与したことで引き起こされた多幸感だろ』『桃子は嘘つきと呼ばれているんだから、これも妄想でしかない』と言う。でも本人が幸せなら好きにさせておけば良い、という内容だ」
フユカ「レティクル座の妄想を描いたストーリーはこれで完結しましたが、アルバムそのものは終わりじゃないのが当時のオーケンさんらしいですよね」
飼い犬が手を噛むので
フユカ「そんな優しい曲を、引き続き橘高さんが手がけたメタルチューンで突き落としますね。前曲がフィナーレっぽく感じて、この曲をボーナストラックだと言う人を見かけますが、それも現実逃避。つまり妄想です」
ミトラ「裁判によって『頭の良い人間』が『くだらない人間』を狩る、つまり●すことを許可された世界になった。しかし人間を狩るには自分自身が頭の良い人間であることを提示しなくてはならない。認められなければくだらない人間と見なされ、狩られる側になってしまう、という内容だ」
フユカ「その人間を審査するのはこの世を去った人たち──要は証拠提示は不可能で、ダメな人間は何をやってもダメだから、狩られるまでの人生を楽しく過ごしてくれという。レティクル座への妄想ではなく、現実世界での妄想がテーマになっていますね」
ミトラ「関連性は無いとはいえ無理矢理な解釈をするが、"香菜、頭をよくしてあげよう"の主人公がこの曲の語り部なのではないかと思っている」
フユカ「曲名自体は諺の『飼い犬に手を噛まれる』から来ていますが、『普段から目をかけている人に裏切られる』という意味ですね。犬人間でしかないはずの飼い犬である香菜ちゃんに裏切られたという内容なら絶望的ですね」
ミトラ「『生きることに怯えないように』というのは、この話を吹き込んで『香菜は人間狩りをされる側ではない』と教え、『一人でも生きていけるように』というのは、『香菜は頭の良い人間になったから、くだらない人間を狩ってくれ』という」
フユカ「けど香菜ちゃんを育てていた人は『くだらない人間』として狩りの対象になったワケですね。そして現世で生きる人たちは全員くだらない人間なので、無邪気な香菜ちゃんによって狩られてしまい、"蜘蛛の糸"にあった狂気の笑い声でこのアルバムは壊滅的に幕を閉じますね」
ミトラ「改めて、暗い暗い。その暗さに私は初めてアルバムを最後まで聴いた際は、しばらく呆然としていたな」
フユカ「でもその暗さってメンバーにも反映されていたみたいで、特にオーケンさんはこの作品を出して以降、精神的に参っていたみたいですね*2」
ミトラ「当然リアルタイムから知っていたワケではないから詳しく分からないが、この作品が出た後は活動休止していたんだよな」
フユカ「ですね。それで再開後に出たアルバム『ステーシーの美術』は暗さが無くなって、筋少らしさが戻っていましたよ」
ミトラ「『レティクル座妄想』の路線が続いていたら、どんな作品が出来上がっていたんだろうな」
フユカ「『続・レティクル座妄想』的な作品ですか? それは考えたくないですねぇ」
ミトラ「さて、2018年にはMCAビクター在籍時の2作品とマーキュリーミュージック在籍時の2作品がボーナストラックを加えたデジタルリマスター版として再販されたな」
フユカ「今まではトイズファクトリー時代の作品だけ紙ジャケ再販されて、『レティクル座妄想』以降の4作品は無くて残念に思ってましたが、リマスターされて更にボートラ付き再販と聞いた際は喜びましたよ」
ミトラ「ボーナストラックはデモやプリプロだな。アルバムに入らなかった"リルカの葬列"やシングルのカップリングが入るものだと思っていたから、そこは何とも言えないが」
フユカ「でもファンにとっては貴重な音源ですよね。レティクル座妄想のボーナストラックは6曲で、"ノゾミ・カナエ・タマエ"、"レティクル座の花園"、"蜘蛛の糸"のプリプロ、"ハッピーアイスクリーム"、"香菜、頭をよくしてあげよう"、"さらば桃子"のデモ音源が収録されています」
ミトラ「本編の"飼い犬が手を噛むので"を聴き終えた後にプリプロ音源が流れた時は、どんな気持ちで聴いたら良いんだ……と戸惑ったな。ただ、そのボートラの中でとても良かったのが、"レティクル座の花園"のプリプロだな」
フユカ「橘高さんのギターインストになっていて、一部ノイズが入っていますが聴き応えありますよね。アルバムがトータルで暗いので、このボートラ6曲聴いて重かった気持ちが軽くなりますよ、清涼剤と言いますか」
ミトラ「確かにな。ただ、このリマスターの帯デザイン何とかならなかったのだろうか」
フユカ「ホントですよ! リマスター再販してくれたから文句は言えないのですが……。そして、この作品がリリースされて30年が経過して、記念シングル「医者にオカルトを止められた男」が出ましたね」
ミトラ「ああ、それも買っているから、それは今度聴くとしようか。このアルバムを聴いて、イヤな記憶が浚われた気がするな」
フユカ「ですね、未虎さんの暗い記憶が少しでも消えたなら良かったです。それにしても、外の大雨はまったく止みませんねぇ……」