登場人物
年齢:22 / 性別:女 / 身長:157cm

喫茶店『緑飴』の客。北海道グルメが良すぎて、北海道に行ってみたい。
小永光 蘭那 (こながみつ らんな)
年齢:24 / 性別:女 / 身長:152cm

雑貨店『すかーれっと』の経営者。たまに井筒屋に行くが、どれも高いので買い物をしたことがあまり無い。
沙魚川 未虎 (はぜかわ みとら)
年齢:25 / 性別:女 / 身長:142cm

喫茶店『緑飴』の経営者。今回は話の終盤に登場する。
4月某日。小倉井筒屋前──。
フユカ「井筒屋にやって来ました!」
ランナ「たまにブティック等を訪れたりするけど、五百木さんと井筒屋に来るなんて不思議ね」
フユカ「アタシは普段、井筒屋に行くことはないですからね。ハードルが高すぎると言いますか」
ランナ「格式が高いイメージがあるものね。ところで今日は沙魚川さん来ないの?」
フユカ「未虎さん、商店街のくじ引きイベントで忙しくて難しいみたいです」
ランナ「そう……。さて五百木さん、今日はその井筒屋に来た目的は?」
フユカ「北海道物産展です!」
ランナ「なるほど、五百木さんのグルメにあたしが付き合わされる感じね……」
フユカ「別に良いじゃないですか~。蘭那さん二つ返事で了解してくれましたよね」
ランナ「そ、それは沙魚川さんが居るとばかり思ってたから……まあ暇だから全然良いのだけれど」
フユカ「では、新館に入って8階に向かいましょうか!」
ランナ「あれ? 調べたところ本館から入ったほうが直で会場に行けるんじゃないの?」
フユカ「それはそうなんですけど、連絡通路歩いてみませんか? 見上げてみてください」
ランナ「本館と新館をつなぐあの道……確かに歩いたことないわね。そうね、行ってみましょ」
新館8階──。
フユカ「へぇ、この階にはJTBがあるんですね~」
ランナ「そういえば五百木さんって沙魚川さんと大阪を旅行したのよね? JTBを利用したの?」
フユカ「いえ、未虎さんはじゃらんネットを利用したみたいですよ」
ランナ「なるほどね。JTBは大手の旅行会社だから、旅の相談してみるのも良いかも知れないわね」
フユカ「でも未虎さんとアタシは飛行機ダメなんですよ」
ランナ「そ、そう……。それにしても連絡通路からの景色、とても良いわね」
フユカ「小倉城と街の景色が見渡せて凄く綺麗ですね! これは桜が咲いていたら絶景だろうなぁ」
ランナ「確かに、お花見の時期にここから眺めたいわね! さて、本館に移ったけれど、すこし照明の雰囲気が変わってレストラン街に来たわよ」
フユカ「どれも美味しそうですよ。でも流石井筒屋、なかなかお高いですね」
ランナ「気になる気持ちは分かるけれど、目的は北海道物産展でしょ?」
フユカ「そうでした! では、こちらの催事場ですね。本日の目的、北海道物産展です!」
ランナ「って、たくさんの人! こんなに犇めいているものなの?!」
フユカ「北海道はここから遠くて、気軽に行ける場所ではないですし、北海道のグルメが楽しめるなら行ってしまいますよね」
ランナ「海鮮、スイーツ、ラーメン……北海道のグルメが勢揃いね。けど、値段は中々のものよ」
フユカ「そうなんですよ~、そこは本場の本気が伺えますよね。さ、蘭那さん! どれにしましょうか!」
ランナ「え、あたしに訊くの?! 五百木さん食いしん坊なんだから、あなたが中心に進めて良いのよ」
フユカ「いえいえ、付き合わせて悪いので、蘭那さんも選びましょうよ」
ランナ「あら、五百木さんが美味しそうに食べる姿を見ているだけで、こちらは嬉しくなるのだけど……ところで、買ってすぐは食べないのよね?」
フユカ「本当はすぐに食べたいのですが、ちょっと行儀が悪い気がするので、未虎さんの分も買って、緑飴でいただきませんか?」
ランナ「それは良い案ね! じゃ、あたしが気になったお店は……小樽の生ラーメンかしら」
フユカ「阿部製麺というお店ですね。やはり北海道のラーメンはいただきたいですよね」
店員「お嬢ちゃん、こちらの試食どうぞー! 醤油味の太麺だけど良いですか?」
フユカ「試食! ぜひいただきたいです! ほら、蘭那さんも」
ランナ「食べて買い物できるのは嬉しいわね。いただきます。……あら! とっても美味しいわ」
フユカ「食べ応えありますね。買いますか!」
ランナ「そうね、こちらは買うわ」
店員「麺の種類とスープを2種類選んでくださいね~」
ランナ「なるほど、購入は2食からなのね。醤油味を試食したのだけど……北海道のラーメンで気になるフレーバーは味噌味とカレー味なのよね。あと麺はスープに絡みやすそうな細麺にするわ」
フユカ「続いてやってきたのは、プルマンベーカリーです」
ランナ「パン屋さんね。カレーパン等があるけど、どれにするの?」
フユカ「気になったのはメロンプリンパンです! メロンとプリンなんて美味しいに決まってますよ!」
ランナ「なかなかメルヘンチックな菓子パンね。あたしも気になるから買うわ」
フユカ「次はエッセンというお店です。ハンバーガーの写真が美味しそうですよねぇ」
ランナ「とても豪快な見た目ね、アタシも食べたいわ。でもなかなか気合いの入った価格するわよ」
フユカ「た、確かに一番高いハンバーガーとアイスバインを買おうと考えていたのですが、これは手を出しづらい……よし、こちらの道産牛チェダーチーズバーガーをいただきましょう!」
ランナ「こちらなら比較的手ごろだし、とても美味しそうね」
フユカ「ではこちらのお店で最後にしましょうか。どさんこ焼きを中心に取り扱っているお店、さとほろです。ちなみに公式サイトはありませんでした」
ランナ「なかなか歴史を感じるけど、公式サイトが無いのね。ではどさんこ焼きをいただきましょう。具材はどれにするの?」
フユカ「そうですねぇ、イカ・海老・帆立にしましょうか」
ランナ「あたしもそれにしようと思ってた。それと、行者にんにくの餃子があるけれど、行者にんにくって何かしら?」
フユカ「葱っぽい見た目していますね。でも美味しそうですよ! こちらも一緒に買いましょう!」
フユカ「と言うことで、北海道物産展での買い物は以上です。蘭那さん、どうでしたか?」
ランナ「北海道グルメはどれも美味しそうで、お客様がたくさん来るのも頷けるわね。ただ、お客様の多さもあるのだけど、通路がとても狭かったわね……」
フユカ「アハハ……それは確かに思いましたね。井筒屋の催事場って広いはずなのですが」
ランナ「でも、巡っていてとても楽しかったわよ。井筒屋の催事場のイベントってとても素敵で、他のイベントがあれば次も行きたいなって思ったわ」
フユカ「ですね。その際はまた行きましょう!」
翌日。喫茶店『緑飴』店内──。
ミトラ「いやー、今日も商店街は忙しかったな。もう夕方になってしまったぞ」
ランナ「沙魚川さん、お疲れ様」
フユカ「お疲れ様です、未虎さん。昨日、蘭那さんと北海道物産展に行ってきましたよ」
ミトラ「そんな話をしていたな。昨日は行けなくてすまなかったな」
ランナ「良いのよ、ちゃんと沙魚川さんの分も買ったから、みんなで食べましょ」
ミトラ「ホントか?! それは嬉しいな。何を買ったんだ?」
フユカ「まずはどさんこ焼きをいただきましょう」
ミトラ「どさんこ焼き……見た感じ、小さな粉ものといった感じだな」
フユカ「わ! これは美味しいですよ! ただの粉ものではないです!」
ミトラ「おお、口に入れたら海鮮の旨みが広がるな」
ランナ「中の生地がふわとろで、キャベツの食感と合うわね。次は行者にんにくの餃子よ」
フユカ「シャキシャキの食感とふっくらした餃子はパクパクいけちゃいますね」
ミトラ「それにしても、行者にんにくの味はよく分からなかったな。だが疲労回復効果があるみたいだから、疲れた体には効きそうだ」
フユカ「次はエッセンのチーズバーガーです」
ミトラ「パティとオニオンとチーズというシンプルな組み合わせだが、ゆえにパティの肉を食べている感が全面に出て、とても美味しいな」
ランナ「他のラインナップも気になったから、また買いたいわね」
フユカ「次は阿部製麺のラーメンです。が、もうお腹いっぱいですね……」
ランナ「ラーメンは小さな器に分けていただきましょ」
ミトラ「では、そうするか。ますはカレー味だが、あっさりながらスパイシーでするっと食べられるな」
ランナ「味噌味はまろやかだけどパンチがあって、細麺にしっかり絡んで美味しいわね」
フユカ「最後にプルマンベーカリーのメロンプリンパンです」
ミトラ「上にはメロンパンのようなクッキー生地があるが、味は本当に果物のメロンだな」
フユカ「赤肉メロンのジュレのようなものと、ふるふるとしたプリンが入っていますね」
ランナ「パン生地の割合が高くて中のプリンは少なめだけど、とても美味しいわ」
ミトラ「いやー、お腹いっぱいだが、北海道のグルメが食べられたのは本当に良かった」
ランナ「えぇ、とても美味しくて、本当に北海道に足を運んでみたくなったわ」
フユカ「未虎さんと蘭那さんが喜んでくれて嬉しいです。イベントに行った甲斐がありました。あと、井筒屋がとても良いところでしたね」
ランナ「定期的に催事場でイベントが行われているから、次は3人で行ってみましょ」
ミトラ「そうだな! 是非行ってみたいものだ! では、食後のコーヒーを淹れるとしよう」