登場人物
年齢:22 / 性別:女 / 身長:157cm

喫茶店『緑飴』の客。春だけど、なかなか日差しは暑かった。
小永光 蘭那 (こながみつ らんな)
年齢:24 / 性別:女 / 身長:152cm

雑貨店『すかーれっと』の経営者。フリーマーケットは色んな店があって、たくさん買うものではないから、なかなか難しいと思っている。
11時。門司港駅──。
フユカ「門司港駅にやって来ました!」
ランナ「まあ、最近来たばかりだけどね」
フユカ「アハハ、ですね。なので久しぶり感は一切ないですよ。以前は海辺のカモメ市のために来てみたのですが、強風で全くやっていなかったので散歩で終わりましたね」
ランナ「そうね。今日はお日柄も良くて、強風も無くて安心ね。ちなみに今回の目的は?」
フユカ「今回は門司港レトロ地区一帯に色んなお店が集うマーケットイベント、門司港GRAND MARKET(グランマーケット)です!」
ランナ「無事に開催しているみたいで良かったわ。ところで……沙魚川さんは?」
フユカ「本当は未虎さんも来る予定だったのですが、商店街絡みの事情があって忙しいみたいで……日を改めたら今度はアタシと蘭那さんが都合悪く、結果、本日二人で行くことになりました」
ランナ「そっか…………それは残念ね……」
フユカ「めちゃめちゃ残念そうな顔してるじゃないですか」
ランナ「あ! 五百木さんがイヤってワケじゃないわよ! 沙魚川さんが居ないから、少し寂しくてねぇ……」
フユカ「普段は未虎さんと二人か、蘭那さん含めた三人で歩くのですが、アタシと蘭那さんの二人は初めてですよね」
ランナ「本当ね! 五百木さんと門司港を散策するのを楽しみにしてたのよ」
フユカ「ホントですか~? ま、早速会場に行きましょうか」
フユカ「さて、やって来たのは門司港駅前の横断歩道を渡ってすぐにあるJapan Style・FTY区画です! 緑と白ストライプのテントが印象的ですね」
Japan Style
日本の伝統や商品を利用し伝承、発信を促進するためのコンセプト商品を発信するエリア。(※原文ママ)
ランナ「本部でパンフレットを貰ったけど、エリアがとても多くあるのね。時間があるから、見て回りたいわ」
フユカ「はい。こちらは見たところ掘り出し物とハンドメイドが多い感じですかね。日本の伝統っぽさはあまり見受けられない気はしますが……」
ランナ「へぇ~、あたしのとこで取り扱ってる雑貨に似た物もあって、参考になるわ。どれも欲しくなっちゃうね……」
フユカ「次に来たのはRUE DU BAC(リュードバック)というエリアです。神戸の会社と同名ですが、恐らく別ですよね」
RUE DU BAC
特別に集められたアンティークやインテリア、グリーンの信頼のおける一流店をを中心に集めたエリア。(※原文ママ)
ランナ「テントの色が生成り色っぽくてシックな雰囲気があるわ。衣類や食器を取り扱っているわね」
フユカ「普段の通りが賑やかなマルシェになっていて、歩いているうちに門司港であることを忘れてしまいそうです!」
ランナ「さて、通りを抜けてS区画にやって来たわよ。ここもストライプのテントが並んでいるわね」
A区画・S区画
要注目!!ジャンルにとらわれない多様で多彩な素敵な名店や逸品がずらりと並びます!
フユカ「それにしても、日差しがなかなか強くて夏レベルですね……。蘭那さん、気になるお店があったら入って良いですからね。遠慮は要らないですよー」
ランナ「ええ、どれも気になるのは確かよ。でも、なかなか値段するのよね」
フユカ「アハハ、せっかくのイベントですから思い切って買うのもアリですよ」
ランナ「そうねぇ~……あ、このお店気になるわね。小物や陶器を取り扱っているsui-n*(スイン)という岐阜県のお店だそうよ」
フユカ「どれも味わいがありますが、特にこの置き物が気になりますね。色んなものをモチーフにしたキャラクターが体育座りしていて可愛らしいです」
ランナ「ホントね。この中だと、大根の置き物良いわ」
フユカ「大根……蘭那さんってチョイスが独特ですよね」
ランナ「そうかしら? この空いているところに多肉植物を入れると、大根の葉っぱにも見えるしオシャレな植木鉢になるわよ。文章だけだと分かりづらいんだけどね」
フユカ「お、それ面白いじゃないですか! 買いますか?」
ランナ「ええ、沙魚川さんへのお土産よ。お店に置いて貰いたいわ」
フユカ「アイテム入手しましたよ。確かにこの置き物は見ていただかないと、ですね。あの箇所に多肉植物は良い発想ですよ、蘭那さん!」
ランナ「五百木さんに初めて褒められたわね……さ、次はBon Dimanche(ボン・ディマンシュ)というエリアよ。『素敵な日曜』という意味だけど、この日は金曜ね」
Bon Dimanche
「ステキな日曜日」に利用したくなるような明るく楽しい商品やサービスのお店のエリア。
フユカ「あのダンゴムシのロゴ、見たことありますね。個性的で気になるのですが、帽子は蛍光色が多めですね。ちょっと明るすぎるかなあ……あと、青色は置いてないみたいです」
ランナ「緑はもっと暗くても良いのにね。他のカラーがあったらあたしも買ってたのに」
フユカ「海峡プラザを抜けた先にある北九小粋&港町グルメ&スイーツというエリアに来ました。アンドを二回使うのは若干違和感ありますが、食品がたくさんあってどれも美味しそうですよ!」
北九小粋&港町グルメ&スイーツ
北九州の人気店や銘店を集めました。異国情緒あふれる港町門司港でオススメのフードが集まるエリア。
ランナ「ああ……五百木さん、食べ物を前にすると元気になるわね……。そういえば、別のエリアで店員さんとお客さんの会話が聞こえたのだけれど、『サバサンドが美味しい』って言ってたわよ」
フユカ「サバサンド?! 名前だけでも美味しそうじゃないですか。えーと……ここだ、坂本商店ですね! ちなみにSAKAMOTO DAYSとは別ですよ」
ランナ「ウェブサイトを見たところ、海産物を取り扱うしっかりとした会社ね。このサバサンドの陽気な雰囲気とは違うから驚きよ」
フユカ「どうやらサバサンドはイベント限定だそうですよ。普段は食べる事が出来ないということで、これはいただくしかないですね!」
ランナ「ええ、あたしも食べようかしら。500円って手頃なのも良いわね」
フユカ「50円で追加トッピングできるみたいです。スパイシーサルサソースとイタリアンチーズのどちらかが選べるので、アタシはサバに合いそうなサルサソースもトッピングしていただきます!」
店員「サルサソース、めちゃめちゃ辛いですよ~。良いですか?」
フユカ「はい! 気になっちゃったので、是非お願いいたします!」
店員「は~い、少々お待ちください!」
店員「お待たせいたしました! こちらが普通のサバサンドで、こちらがサルサソースの方です! お召し上がりくださ~い!」
ランナ「あっ、ありがとうございます」
フユカ「ありがとうございます! いただきまーす!」
ランナ「……あら、とても美味しいわ! サバそのものはほんのりカレー風味ね」
フユカ「サバはふっくら柔らかで、シャキシャキキャベツと人参に合いますね。ソフトなパンとの相性が良いですよ! ……んー! サルサソースは店員さんの警告通り、すんごく辛いですね!」
ランナ「美味しくて、すぐに食べ終えちゃったわ。イベント限定だから普段食べれないのは残念だけど、またどこかで見かけることがあったら必ず食べたいわね」
フユカ「はい! めちゃめちゃ美味しかったです! ……えっと、この海側は行き止まりですかね」
ランナ「いえ、どうやら先にG.A.F.A区画というエリアがあるみたいよ」
フユカ「G.A.F.A……IT企業の4社とは別ですよね?」
ランナ「ええ、GAFA(ガーファ)とは別ね。GREAT ASIAN FOOD AGGRIGATIONの略だそうよ」
G.A.F.A.区画
世界のグルメや雑貨、ファッションなどが並び、世界旅行気分を体感できるエリア
フユカ「なるほど! エスニック料理や海外の雑貨が並んでいるみたいですね」
ランナ「さっきサバサンド食べてお腹いっぱいだけど、どれも美味しそうよ!」
フユカ「アタシが気になるのは……この食品サンプルのお店ですね」
ランナ「エスニック要素無いじゃないの……」
フユカ「さてと、ひと通り見て回りましたね。全エリア紹介していないのですが、どれも良いところでしたね」
ランナ「そうね、複数人で行くと盛り上がりそうだし、楽しくなるのは間違いないわ」
フユカ「門司港GRAND MARKETの次回は秋に開催されるみたいです。11月7日~9日ということで、今度は未虎さん含め三人で行きましょう!」
ランナ「もちろんよ。ところで、これで今回は終わるの?」
フユカ「まだ帰るには早いですよね。……関門海峡ミュージアムに行きますか?」
ランナ「ええ、あたしも行きたいと思ってたわ」
関門海峡ミュージアム内、海峡アトリウム──。
フユカ「これから放映されるのは13時半の『光と音楽の海』ですね」
ランナ「以前の映像は、なかなか見応えがあったからこちらも楽しみよ。……あ、そろそろ始まるわね」
フユカ「カラフルな背景に色んな魚が泳いでいますね。万華鏡のような綺麗さがあります」
ランナ「そうね。タイトル通り映像は面白くて、音楽もしっかりしているわね」
フユカ「イルカが指揮棒を振っている姿が可愛らしいです。吹奏楽部でよく見た楽器たちが並んでいますよ」
ランナ「五百木さんって吹奏楽やっていたの?」
フユカ「はい。アルトサックスをやっていました。楽器を演奏するのは楽しかったですが、吹奏楽部自体はひとつも楽しくなかったです」
ランナ「ふふ、そういうものよ。あたしがピアノをやってたときもツラかったし」
フユカ「蘭那さん、ピアノ演奏できるんですか?」
ランナ「幼少時代に、ほんの少しやってた程度よ。さて、終わったわね。とても素敵な作品だったわ」
フユカ「ですね! 通路にあるゲームは魚のものに切り替わりましたよ。以前、ひとつだけできていなかった『いでよ! フィッシュスター』をやってみましょうか」
ランナ「自分の分身である魚を操作して、泳いでいる他の魚をたくさん食べて独自の魚に成長させるゲームだそうよ。五百木さんやってみましょ」
フユカ「他の魚を食べるだなんて、獰猛すぎますよね……うわ、食べたら変形しましたよ! もはやキメラですね……」
ランナ「でも毒を持つ魚は食べちゃダメみたい。変形する以外はしっかりしているわね」
フユカ「と言うことで、アタシは高中正義さんみたいな見た目の魚になりました。食べた回数は35回で体長70cm、ランク4です。では次は蘭那さんやってみましょう!」
5分後──。
ランナ「あたしはそんなにインパクトのない魚になったわ。食べた回数は43回で体長70cm、ランク4……五百木さんとほぼ一緒ね」
フユカ「アハハ、ホントだ。では下に降りて、前回できなかった『関門海峡フォトツアー』をやってみますか」
ランナ「以前は他のお客さんがやっていて、空くまでに時間がかかってたのよね。今のうちにエントリーしましょうか。こちらは複数人でできるみたいね」
フユカ「潜水艦で海に潜り、画面をタッチして魚を撮影していきますよ。左下に移動キーがあって、大きなスマホゲームみたいですね」
ランナ「……ゴンズイばっかり泳いでいるわね。あたしの写真ゴンズイしかないわよ」
フユカ「なかなか面白いですね。俯瞰画面を見ると、キラキラしたエリアがありますよ。行ってみますか?」
ランナ「ホントね。何かありそうだから行ってみましょ」
フユカ「これは……竜宮城ですか? 海の中にお城がありますよ」
ランナ「以前放映された壇ノ浦の戦いで、海底にお城があると言い聞かせて身を投げた話があったじゃない? それと関係があるのかしら」
フユカ「確かにそういったストーリーがありましたね、どうなんでしょうか。……でも、このエリアは特別な何かがあるってワケじゃなさそうですね」
ランナ「ホントね……ということで、ゲームは終わりよ。楽しかったけど、複数回やって慣れないと難しい気がするわ」
フユカ「海峡体験ゾーンに来ました! 前回、未虎さんが上手くできなかった『チャレンジ! コンテナクレーン』をやってみましょう、蘭那さん」
ランナ「え! あたしがやるの?! わ、分かったわ……カーソル合わせてクレーンを下ろして、荷台に積んで、と……」
フユカ「お、なかなか順調じゃないですか! これは良い感じですよ」
ランナ「タイムアップね。スコアが2000で11位よ」
フユカ「おおー! なかなか真剣でしたね」
ランナ「沙魚川さんの体たらく(スコア500の85位)があったから、ここは頑張らないとって思ってね。さて、前回やって楽しかった『関門ダイバー』をもう一度やりたいわ」
フユカ「あれ楽しかったですよね。今は空いているので、やりましょうか!」
5分後──。
フユカ「お、以前より進んでませんか?!」
ランナ「そうね。行けるとこまで行きましょ! ほら、五百木さん、あっちにシルエットがあるわよ!」
フユカ「気合いが入ってますね。よし、懐中電灯で照らしまくりましょう!」
ランナ「今のステージをクリアしたわよ! さ、次は……」
フユカ「あれ、画面が真っ赤になりました! なんか海中の動きが変ですよ!」
ランナ「これって、裏ステージだったりするのかしら?! 大きなタコが睨んできたわよ」
フユカ「何か始まる気がしますよ。これは身構えておかないと……って、何か字幕が出てきました」
フユカ / ランナ『関門海峡にはまだまだ未知なる生物がいる……』
フユカ / ランナ『かもしれない…………』
ランナ「……ええっ?! 終わったわよ! 何かあると思うじゃないの!」
フユカ「しかもランクBなので、そこまで良い成績ではないですね……」
フユカ「さて、海峡ミュージアムを出て、門司港駅に戻ってきましたよ。本日はどうでした?」
ランナ「とても楽しかったわよ。グランマーケットはとても良いイベントだったし、関門海峡ミュージアムは何度行っても面白くて、本当に門司港って良いところよね」
フユカ「はい! 海峡アトリウムの映像は残り二つあるので、また機会があれば行きましょう!」
ランナ「ええ、その時は沙魚川さんも一緒に行きましょ。いつか門司港を超えた先にある下関にも行ってみたいわね」
フユカ「それも良いですね!」